小論文の対策を始めようとして、「どんなテーマが出るのか分からない」と手が止まっていませんか。
小論文のテーマは、やみくもに覚えるものではありません。志望する学部で問われやすい分野と、学部をまたいで問われる分野の2方向から押さえると、準備する範囲がはっきりします。
この記事では、学部別と分野別の両方からテーマを一覧にし、各テーマの論点を整理しました。
あわせて、小論文を出題している大学の試験問題や出題の意図から、2024〜2026年度の実際の出題例を載せています。一覧を読んだら、その日のうちにテーマを1つ選んで1本書いてみることをおすすめします。
この記事で分かることは、次のとおりです。
| 知りたいこと | この記事の見出し |
|---|---|
| 自分の学部で問われやすい分野 | 学部別:よく問われる分野の一覧 |
| 各分野のテーマと対立する立場 | 分野別:テーマと論点 |
| 実際にどんな問題が出たか | 実際の出題例(大学の公式資料で確認) |
| テーマ型・課題文型・資料型の違い | 出題形式も確かめる |
| テーマの準備と練習のしかた | テーマごとの準備のしかた/テーマを選んで練習する |
結論:テーマは「学部」と「分野」の2方向で押さえる

小論文のテーマには、2つの特徴があります。
1つは、学部の学びと直結する分野です。法学部ならルールと権利、看護学部なら健康と命、教育学部なら学校と子どもというように、学部ごとに問われやすい分野があります。
もう1つは、学部をまたいで問われる分野です。AIと情報社会、環境、少子高齢化、多文化共生などは、法学部でも経済学部でも看護学部でも出題されることがあります。社会全体の課題なので、どの学部の視点からも論じられるからです。

この2つを組み合わせると、準備の順番が決まります。
| 順番 | やること | この記事で読む場所 |
|---|---|---|
| 1 | 志望学部の行を見て、問われやすい分野を2〜3個決める | 学部別の一覧 |
| 2 | 学部をまたぐ分野(AI・環境・少子高齢化)も1つずつ押さえる | 分野別のテーマと論点 |
| 3 | 志望校の過去問で、出題形式と字数を確かめる | 実際の出題例/出題形式 |
| 4 | テーマを1つ選んで書き、点検する | 練習・点検・添削の節 |
学部別:よく問われる分野の一覧
学部ごとに、問われやすい分野とテーマの例をまとめました。自分の志望学部の行だけを読めば、まず何から準備するかが分かります。右の列には、分野ごとに考えを深めるための個別記事を並べています。
| 学部 | よく問われる分野 | テーマ例 | 分野の個別記事 |
|---|---|---|---|
| 法・政治 | 法・社会のルール、少子高齢化・社会保障、情報社会 | 家族のルール、規制の是非、所得の再分配、SNSと行政 | 法律 |
| 経済・経営・商 | 経済・働き方、地域、環境 | 男女の賃金格差、起業、観光と地域、資源の配分 | 経済 |
| 文・人文 | 言葉と文化、歴史と記憶、メディア | 文学を読む意味、言語と創造性、戦争の記憶 | — |
| 教育 | 教育、子ども、多様性 | 学校の役割、学びのつまずき、教育格差 | 教育 |
| 社会・福祉 | 多様性と人権、少子高齢化・社会保障、地域 | 子どもの貧困、障害と共生、不登校 | — |
| 国際・外国語 | 国際・多文化共生、平和、言語と文化 | 外国人住民との共生、権力と服従、戦争と社会 | 国際 |
| 医療・看護 | 医療・生命倫理、健康と予防、ケアと言葉 | がん検診、子どもの事故予防、介護の現場 | 医療 |
| 理工・情報 | AI・情報社会、環境・技術、データの活用 | 生成AI、日本のIT産業、科学の方法 | AI/情報 |
分野別:テーマと論点
ここからは、学部をまたいで問われやすい10の分野について、テーマの例と対立する立場、考えるときの軸を整理します。対立する立場は、どちらが正しいかを示すものではありません。小論文では、両方の言い分を理解したうえで、自分の立場を理由とともに示すことが求められます。
AI・情報社会
生成AIやSNSは、理工・情報系だけでなく、法・経済・教育・看護など多くの学部で取り上げられています。日本では2025年6月に「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)が公布され、AIの活用を進めながらリスクに向き合う枠組みが作られました。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 学校や大学での生成AIの利用 | 学びを助ける道具として使うべき/考える力を弱めるので制限すべき | 何のための学びか、使い方のルール |
| SNSと情報の信頼性 | 表現の自由を守るべき/誤情報や中傷を規制すべき | 自由と被害防止のバランス、誰が判断するか |
| AIと仕事 | 生産性が上がり新しい仕事が生まれる/雇用が失われ格差が広がる | 人にしかできないこと、学び直しの仕組み |
AIのテーマでは「便利か危険か」の二択で終わらせず、「どんな条件なら使ってよいか」まで書けると評価されやすくなります。分野の考え方はAIと情報の記事で深められます。
環境・持続可能性
環境は、理系だけでなく経済・経営や国際系でもよく扱われる分野です。日本政府は2020年10月、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すと宣言しました。環境と経済、今の世代と将来の世代をどう両立させるかが論点の中心です。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 脱炭素と経済成長 | 規制を強めて排出を早く減らす/産業や雇用への影響を考えて段階的に進める | 誰が費用を負担するか、時間軸 |
| 大量生産・大量消費 | 安く便利な暮らしを支えている/資源を浪費し環境に負担をかける | 消費者の選択と企業の責任 |
| 先進国と途上国の責任 | 先に排出してきた国が多く負担すべき/すべての国が同じように減らすべき | 公平さの基準、国際協力 |
環境のテーマは、身近な行動と社会の仕組みの両方から書くと説得力が増します。環境の記事もあわせて読んでください。
少子高齢化・社会保障
少子高齢化は、法・経済・社会福祉・看護など幅広い学部で出題される分野です。年金や医療などの社会保障を誰がどう支えるか、子どもを産み育てやすい社会をどう作るかが問われます。
新潟大学法学部では、税や社会保障による所得の再分配の是非や、高齢化で生じる問題とその対策が出題されています。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 所得の再分配 | 格差を縮めるために続けるべき/働いて得たものは本人のものとすべき | 公平とは何か、自助と共助 |
| 社会保障の財源 | 増税で安定した財源を確保する/負担を増やさず支出を見直す | 世代間の公平、経済への影響 |
| 少子化への対策 | 経済的な支援を厚くする/働き方や地域の支えを変える | 何が子育ての壁になっているか |
このテーマでは、数字を覚えることよりも「誰が負担し、誰が支えられるのか」という構図をつかむことが大切です。数字を使う場合は、官公庁の統計で年と出典を確かめてください。
教育
教育は、教育学部はもちろん、心理・社会・人文系でも問われる分野です。学校は何のためにあるのか、学びの格差をどう縮めるか、一人ひとりの違いにどう応えるかが中心の論点になります。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 学校で教えるべきこと | 基礎的な知識をしっかり教える/変化に対応する考える力を育てる | 知識と思考の関係、時代の変化 |
| 教育格差・体験格差 | 公的な支援で機会をそろえる/家庭や地域の工夫に任せる部分もある | 機会の平等、支援の届け方 |
| 校則と子どもの自由 | 集団生活の秩序のために必要/子どもの権利を不当に制限している | ルールを決める手続き、子どもの意見 |
教育のテーマでは、自分の学校生活の経験を具体例にしやすい一方で、経験だけで終わると主観的になります。教育の記事で論点の広げ方を確認してください。
医療・生命倫理
医療・看護系では、病気を治すことだけでなく、予防や地域での支え、患者との関わり方まで問われます。下関市立大学看護学部では、がん検診の受診率や子どもの不慮の事故の予防を、統計資料から考える問題が出題されています。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 病気や事故の予防 | 個人の生活習慣や注意で防ぐ/社会の仕組みや環境で防ぐ | 個人の責任と社会の責任 |
| 延命治療と終末期 | 命をできるだけ延ばす/本人の望む生き方を優先する | 本人の意思の確かめ方、家族の役割 |
| 医療と介護の担い手不足 | 人を増やし待遇を改善する/技術や役割分担で負担を減らす | 質と量の両立、地域差 |
医療のテーマでは、患者や家族の立場に立って考える姿勢が見られます。医療の記事もあわせて読んでください。
国際・多文化共生
国際系の学部では、外国人住民との共生、戦争と平和、国どうしの協力が問われます。日本では2024年6月、技能実習制度に代わる「育成就労制度」を設ける改正法が公布され、2027年4月に施行されます。働き手として外国人を受け入れることと、ともに暮らす社会をどう作るかは、身近な論点になっています。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 外国人住民との共生 | 受け入れを広げ支援を厚くする/地域の不安に配慮して慎重に進める | 双方の不安の背景、言葉と生活の支援 |
| 国際協力と自国の利益 | 困っている国を積極的に助ける/まず自国の課題を優先する | 長い目で見た利益、責任の範囲 |
| 文化の違いと人権 | それぞれの文化を尊重する/普遍的な人権を優先する | 誰がどこまで介入できるか |
このテーマは意見が分かれやすいため、一方の立場だけを強く書くと説得力を欠きます。国際の記事で論点を整理してください。
法・社会のルール
法学部では、社会のルールをどう作り、どこまで規制するかがよく問われます。2024年5月には、離婚後も父母の双方が親権を持てる共同親権を導入する民法等の改正法が成立し、2026年4月に施行されました。2022年4月からは成年年齢が18歳に引き下げられています。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 離婚後の共同親権 | 子どもが両親と関わり続けられる/DVなどの事情がある家庭で危険が残る | 子どもの利益、例外の扱い |
| 身近な行為の規制(野良猫への餌やりなど) | 迷惑や被害を防ぐため条例で規制する/個人の自由や動物の保護を尊重する | 被害の大きさ、規制の必要最小限 |
| 法律と正義 | 決まった法律を同じように当てはめるべき/個別の事情に応じた正義を重んじるべき | 法の安定と公平 |
法のテーマでは、賛否それぞれの論拠を示したうえで自分の結論を出す形式が多く見られます。法律の記事で書き方の型を確認してください。
経済・働き方
経済・経営系では、働き方、格差、企業の役割がよく扱われます。
下関市立大学経済学部では、男女の賃金格差に企業がどう対応できるかや、日本で起業が少ない理由とその解決策が、図表をもとに問われました。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 男女の賃金格差 | 企業や制度が積極的に是正すべき/働き方の選択の結果でもある | 格差が生まれる仕組み、企業にできること |
| テレワーク・多様な働き方 | 生産性と生活の質が上がる/孤立や評価の難しさが生じる | 仕事の種類による違い |
| 観光と地域経済 | 観光客を増やして地域を潤す/住民の暮らしを守るため受け入れを抑える | 経済効果と生活環境の両立 |
経済のテーマでは、図表の数字を正確に読み取る力が問われることが多くあります。経済の記事もあわせて読んでください。
多様性と人権
多様性と人権は、社会福祉・教育・法・国際など多くの学部にまたがる分野です。2023年4月にはこども基本法が施行され、2024年4月からは改正障害者差別解消法により、事業者による「合理的配慮」の提供が義務になりました。違いのある人がともに暮らすために、社会の側が何を変えるかが問われます。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 障害と社会の配慮 | 社会の側の壁を取り除くべき/配慮には費用や限界もある | 障害を「個人」と「社会」のどちらから見るか |
| ジェンダー平等 | 制度で積極的に格差を正す/個人の選択や自由を尊重する | 機会の平等と結果の平等 |
| 子どもの貧困 | 公的な支援を広げる/家庭や地域の支え合いも重視する | 見えにくい貧困の把握 |
このテーマでは、当事者の視点を想像して書けるかが大切です。言葉の選び方にも気を配り、特定の人を傷つける表現は避けてください。
地域・災害・メディア
地域の活性化、防災、メディアとの付き合い方も、学部を問わず出題される分野です。沖縄国際大学では、地域の出生率や若年出産の問題、行政のSNS活用の利点と課題が問われています。地元の課題を自分の言葉で語れると、志望理由とも結びつけやすくなります。

| テーマ例 | 対立する立場 | 考えるときの軸 |
|---|---|---|
| 地域の活性化 | 外から人や企業を呼び込む/住民の暮らしと文化を守る | 地域らしさ、持続できる仕組み |
| 災害への備え | 行政が主導して備える/住民どうしの助け合いを強める | 自助・共助・公助の役割分担 |
| 行政や政治家のSNS活用 | 情報を早く広く届けられる/誤解や炎上のおそれがある | 伝わりやすさと正確さ |
実際の出題例・過去問
ここでは、大学の公式サイトで公開されている過去問・出題の意図で確認したものだけを載せています。予備校や個人のサイトにある出題例は使っていません。出題の要旨は、問題文を写さずに要点をまとめたものです。形式が「—」のものは、公開資料から形式を判断できなかったものです(確認日:2026年10月1日)。
| 大学・学部 | 年度・入試区分 | 出題の要旨 | 形式 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 沖縄国際大学 法学部 法律学科 | 2025年度 総合型選抜(B日程) | 2024年5月の法改正で導入が決まった共同親権制度について、賛成・反対の議論を把握したうえで自分の意見を述べる | — | 公式PDF |
| 新潟大学 法学部 | 2026年度 一般選抜(前期日程) | 税や社会保障を通じた所得の再分配を今後も行うべきか、賛否それぞれの論拠を示して1,000字以内で論じる | テーマ型 | 公式PDF |
| 慶應義塾大学 法学部 | 2025年度 一般選抜 | ローマ法の学説を手がかりに、法律の適用と正義の尊重は両立できるかを、両立できる・できない両方の立場から800字以内で論じる | 課題文型 | 公式PDF |
| 下関市立大学 経済学部 | 2025年度 一般選抜(前期日程) | 図表から日本の男女の賃金格差の実態と理由を読み取り、格差を縮めるために企業がとれる対応策を考える | 資料型 | 公式PDF |
| 下関市立大学 経済学部 | 2026年度 一般選抜(前期日程) | 図表から日本で起業が少ない理由を読み取り、その解決策と、地域や社会の問題を解決するビジネスの案を書く | 資料型 | 公式PDF |
| 慶應義塾大学 経済学部 | 2025年度 一般選抜 | サステナビリティを扱う2つの課題文から、希少な資源の割り当て方の違いを説明し、今後の社会で何をどう割り当てるべきかを論じる | 課題文型 | 公式PDF |
| 慶應義塾大学 文学部 | 2025年度 一般選抜 | 現代の世界文学と「正典」の変化を論じた文章を要約し、人間にとって文学を読むとはどういうことかを320〜400字で述べる | 課題文型 | 公式PDF |
| 沖縄国際大学 総合文化学部 社会文化学科 | 2025年度 学校推薦型選抜 | 沖縄戦をテーマに、沖縄の歴史・文化・社会への理解と、それを世界とのつながりの中で考える力を問う | — | 公式PDF |
| 福岡教育大学 教育学部 初等教育教員養成課程 小学校教育専攻プログラム | 2026年度 一般選抜(前期日程) | 文章理解の2つのレベルを説明した文章を読み、片方のレベルでつまずく子どもを想定して、授業での工夫を400字以内で論じる | 課題文型 | 公式PDF |
| 福岡教育大学 教育学部 初等教育教員養成課程 小学校教育専攻プログラム | 2026年度 学校推薦型選抜(推薦Ⅰ) | 学校が生まれた歴史的な経緯をふまえ、必要な知識が変わり続ける時代に小学校で何を教えるべきかを400字以内で論じる | 課題文型 | 公式PDF |
| 沖縄国際大学 総合文化学部 人間福祉学科 社会福祉専攻 | 2025年度 学校推薦型選抜 | 子どもの貧困のうちデジタル格差について、社会的な背景を分析し、ソーシャルワーカーや社会全体として何ができるかを論じる | — | 公式PDF |
| 沖縄国際大学 総合文化学部 人間福祉学科 社会福祉専攻 | 2025年度 総合型選抜(B日程) | 社会福祉の「社会モデル」の考え方を理解し、人の多様性を前提にした共生社会のあり方を多面的に検討する | — | 公式PDF |
| 島根県立大学 国際関係学部 国際関係学科(国際関係コース) | 2026年度 総合型選抜 | 日本で暮らすクルド人が直面する課題を扱った文章を読み、「共生」の意味と実現の可能性、日本社会に求められる取り組みを論じる | 課題文型 | 公式PDF |
| 島根県立大学 国際関係学部 国際関係学科(国際関係コース) | 2026年度 学校推薦型選抜 | 「服従」という概念を扱った文章を読み、校則や国内外の政治情勢と結びつけて権力と服従について論じる | 課題文型 | 公式PDF |
| 下関市立大学 看護学部 | 2026年度 学校推薦型選抜 | 厚生労働省の統計から子どもの不慮の事故の現状を読み取り、事故を防ぐための対策について意見を述べる | 資料型 | 公式PDF |
| 下関市立大学 看護学部 | 2026年度 一般選抜(前期日程) | がんの死亡率や医療費などの資料を読み取り、がん検診の受診率を上げるために必要な対策を考える | 資料型 | 公式PDF |
| 下関市立大学 データサイエンス学部 | 2026年度 学校推薦型選抜 | 情報通信白書の図表から日本のICT産業が国際競争で後れを取った状況を読み取り、解決策や改善点を提言する | 資料型 | 公式PDF |
| 慶應義塾大学 環境情報学部 | 2025年度 一般選抜 | 科学の方法(仮説演繹法)を扱った文章と、生成AIによる要約を比べて評価し、課題を解く手がかりを生み出す仕組みを提案する | 複合型 | 公式PDF |
表を見ると、同じ学部でも入試区分によって形式が違うことが分かります。
たとえば下関市立大学経済学部は、同じ年度の一般選抜(前期日程)で、図表を読む問題と長い文章を読む問題の両方を出しています。
志望校の過去問は、必ず大学の公式サイトで確認してください。入試情報のページで、過去の試験問題や出題の意図を公開している大学もあります。
出題形式も確かめる
同じテーマでも、出題形式によって準備のしかたが変わります。小論文の形式は、大きく分けて次の3つです。複数を組み合わせた複合型もあります。
| 形式 | どんな問題か | 主に求められる力 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| テーマ型 | 短い問いだけが示され、自分の考えを論じる | 知識と論点の整理、構成力 | テーマ型 |
| 課題文型 | 文章を読み、要約したうえで意見を述べる | 読解力、筆者の主張をふまえた議論 | 課題文型 |
| 資料型 | グラフや表を読み取り、原因や対策を考える | 数字を正確に読む力、提案力 | 資料型 |
テーマごとの準備のしかた
テーマを読むだけでは、本番で書ける力はつきません。テーマごとに、次の6つの枠でメモを作っておくと、どの形式で出ても材料を取り出せます。1テーマあたりA4用紙1枚程度が目安です。

| 枠 | 書くこと | 例(AIと学び) |
|---|---|---|
| 定義 | そのテーマの言葉の意味 | 生成AIとは、文章や画像を作り出すAI |
| 現状 | 今どうなっているか | 学校や大学で使い方のルール作りが進んでいる |
| 原因・背景 | なぜ問題になっているか | 手軽に文章が作れ、学びの意味が問われている |
| 対立する立場 | 賛成と反対の言い分 | 学びを助ける/考える力を弱める |
| 自分の意見 | どちらの立場か、その理由 | 条件をつけて使うべき |
| 具体例 | 意見を支える例 | 調べ学習での使い方と確認の手順 |
時事テーマの集め方
小論文では、ここ数年の社会の動きをふまえたテーマがよく出ます。ただ、インターネット上のまとめ記事やSNSの情報は、古かったり不正確だったりすることがあります。時事テーマは、できるだけ一次情報に当たって集める習慣をつけましょう。
| 情報源 | 分かること | 使い方 |
|---|---|---|
| 新聞(社説・解説面) | 今話題の論点と、賛否の主な意見 | 週に2〜3本、論点を6つの枠に書き出す |
| 官公庁の白書・公式発表 | 制度の名前と施行年、公式の統計 | 数字を使うときは年と出典を確認する |
| 大学の出題の意図 | その大学が何を見ようとしているか | 志望校の評価の観点をつかむ |
| 新書・入門書 | テーマの背景と専門的な考え方 | 課題文型の対策として要約の練習に使う |
テーマを選んで練習する

一覧でテーマの全体像をつかんだら、次は実際に書く練習です。とはいえ、自分でテーマを選ぶと、書きやすいものばかりに偏りがちです。
文系ラボの小論文テーマ生成メーカーでは、全600問の中から、志望学部に合わせてお題を出せます。毎日1問を引いて、まずは6つの枠のメモだけでも作ってみてください。
| 時期 | 練習の目安 | ねらい |
|---|---|---|
| 準備を始めた最初の1か月 | 週2本、メモから600字程度の答案 | 型に慣れる |
| 2か月目以降 | 週2〜3本、本番の字数と時間で書く | 時間内に書き切る力をつける |
| 試験の1か月前 | 志望校の過去問を本番と同じ条件で | 形式と字数に合わせる |
練習の量は、ほかの科目との兼ね合いで調整してください。大切なのは、1本書くごとに見直しをして、次の答案に生かすことです。
書いたら点検し、添削を受ける
書いた答案は、そのままにせず点検しましょう。自分で読み返すときは、次の点を確かめます。
| 点検する項目 | 確かめること |
|---|---|
| 問いへの答え | 設問が求めていることに正面から答えているか |
| 構成 | 序論で立場を示し、本論で理由と具体例、結論でまとめているか |
| 根拠 | 反対の立場にも触れたうえで、自分の理由を示しているか |
| 表現と字数 | 話し言葉や誤字がないか、指定字数の8割以上を書いているか |
自分だけでは気づきにくい点は、文系ラボの小論文チェッカーで確かめられます。構成や表現の点検に使ったうえで、最後は人に読んでもらうのが上達への近道です。
書いた答案を誰に見てもらえばいいか、学校の先生・通信教育・オンラインの家庭教師・総合型選抜の専門塾の違いと選び方は、小論文の添削はどこに頼む?で詳しく解説しています。
よくあるご質問

小論文のテーマについて、受験生からよく寄せられる質問にお答えします。
まとめ
小論文のテーマは、学部と分野の2方向で押さえると、準備する範囲がはっきりします。最後に、この記事のポイントを表で確認しましょう。

| ステップ | やること |
|---|---|
| 知る | 学部別の一覧で、志望学部の分野を決める |
| 深める | 分野別の論点と個別記事で、対立する立場を整理する |
| 確かめる | 志望校の過去問を公式サイトで見て、形式と字数を知る |
| 練習する | テーマメーカーでお題を引き、6つの枠のメモから書く |
| 点検・添削 | チェッカーで点検し、人に読んでもらう |
テーマの一覧は、読むだけでは力になりません。今日のうちに1つテーマを選び、6つの枠でメモを作るところから始めてみてください。






















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