和歌の修辞法を、一問一答96問でまとめました。答えはタップすると開きます。○△×で自己採点でき、できなかった問題だけをもう一度解き直せます。
和歌は31字しかありません。その中に多くの意味を込めるため、さまざまな技法が発達しました。修辞を知らないと、和歌は読めません。
前回扱った多義語が掛詞の土台です。「まつ」に「松・待つ」の意味があるからこそ、掛詞が成立します。単語と修辞はつながっています。

主な勉強場所はどこ?
修辞法7種【まずこの表】

| 技法 | 内容 | 訳すか | 音数 |
|---|---|---|---|
| 枕詞 | 特定の語を導く決まり文句 | 訳さない | 5音 |
| 序詞 | 特定の語を導く句 | 訳す | 7音以上 |
| 掛詞 | 1語に2つの意味を持たせる | 両方訳す | — |
| 縁語 | 関連する語を散りばめる | — | — |
| 本歌取り | 古歌の一部を取り入れる | — | — |
| 句切れ | 意味の上で切れる部分 | — | — |
| 体言止め | 文末を体言で終える | — | — |
枕詞と序詞の違いが最頻出です。「枕詞は5音で訳さない、序詞は7音以上で訳す」——この2点で区別できます。
覚えるべき枕詞10【頻出】
枕詞は導く語とセットで覚えます。意味を持たないため、訳す必要はありません。
| 枕詞 | 導く語 |
|---|---|
| あしひきの | 山 |
| ひさかたの | 光・天(空) |
| たらちねの | 母 |
| ちはやぶる | 神 |
| あをによし | 奈良 |
| くさまくら | 旅 |
| ぬばたまの | 黒・夜 |
| しろたへの | 衣・雪 |
| からころも | 着る・裁つ |
| うつせみの | 世・命 |
和歌の修辞法 一問一答【Sランク・32問】
- 1特定の語を導くために置かれる、5音の決まり文句を何というか?
- 2枕詞は原則として何音か?序詞との違い
- 3枕詞は現代語訳するか?訳さないのが原則
- 4「あしひきの」が導く語は?
- 5「ひさかたの」が導く語を2つ挙げよ
- 6「たらちねの」が導く語は?
- 7「ちはやぶる」が導く語は?
- 8「あをによし」が導く語は?
- 9「くさまくら」が導く語は?
- 10「ぬばたまの」が導く語を2つ挙げよ
- 11特定の語を導くために置かれる、音数の決まっていない句を何というか?
- 12序詞は原則として何音以上か?
- 13序詞は現代語訳するか?枕詞と逆
- 14枕詞と序詞の最大の違いを2つ挙げよ
- 151つの語に2つの意味を持たせる技法を何というか?入試で最頻出
- 16「まつ」に掛けられる2つの意味は?
- 17「あき」に掛けられる2つの意味は?
- 18「ふる」に掛けられる意味を3つ挙げよ
- 19「ながめ」に掛けられる2つの意味は?
- 20「よ」に掛けられる2つの意味は?
- 21意味の上で関連する語を意図的に散りばめる技法を何というか?歌全体に統一感
- 22「糸」の縁語を挙げよ
- 23有名な古歌の一部を取り入れる技法を何というか?新古今に多い
- 24本歌取りが多く用いられた歌集は?
- 25和歌が意味の上で切れる部分を何というか?終止形が目印
- 26句切れがない和歌を何というか?
- 27文末を体言で終える技法を何というか?余韻を残す
- 28体言止めの効果は?
- 29和歌の音数の基本形は?
- 30和歌の第1句から第5句をそれぞれ何というか?
- 31上の句と下の句の分け方は?
- 32和歌の修辞法が用いられる目的は?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。

和歌の修辞法 一問一答【Aランク・32問】
- 1「しろたへの」が導く語を2つ挙げよ
- 2「からころも」が導く語を2つ挙げよ
- 3「うつせみの」が導く語を2つ挙げよ
- 4「あづさゆみ」が導く語を2つ挙げよ
- 5「たまきはる」が導く語は?
- 6「かむかぜの」が導く語は?
- 7「ももしきの」が導く語は?
- 8序詞の導き方を2つ挙げよ
- 9序詞が比喩で導く場合の訳し方は?
- 10掛詞を見つける手がかりは?ひらがなに注目
- 11掛詞が和歌でひらがなで書かれる理由は?
- 12「かる」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 13「うき」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 14「みをつくし」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 15「いなば」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 16「すみ」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 17「波」の縁語を挙げよ
- 18「弓」の縁語を挙げよ
- 19「衣」の縁語を挙げよ
- 20縁語と掛詞が同時に使われることはあるか?
- 21本歌取りの効果は?
- 22本歌取りを理論化した歌人は?
- 23句切れを見つける手がかりを2つ挙げよ
- 24「初句切れ」とはどこで切れることか?
- 25「三句切れ」とはどこで切れることか?
- 26『古今和歌集』に多い句切れは?
- 27『万葉集』に多い句切れは?
- 28折句とはどんな技法か?
- 29「かきつばた」を詠み込んだ有名な和歌の作者は?
- 30物名(もののな)とはどんな技法か?
- 31対句とはどんな技法か?
- 32和歌の修辞を問う設問で最も多い形式は?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。
和歌の修辞法 一問一答【Bランク・32問】
- 1枕詞が生まれた背景は?
- 2枕詞の多くが見られる歌集は?
- 3「あらたまの」が導く語を2つ挙げよ
- 4「ひさかたの」の「ひさかた」の意味は?
- 5「そらみつ」が導く語は?
- 6「わかくさの」が導く語は?
- 7「いはばしる」が導く語は?
- 8序詞が枕詞と違って自由なのはなぜか?
- 9序詞が同音で導く例を挙げよ
- 10掛詞が最も発達した歌集は?
- 11「たつ」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 12「ひ」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 13「あふ」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 14「まつやま」に掛けられる意味は?
- 15縁語の効果は?
- 16「涙」の縁語を挙げよ
- 17「火」の縁語を挙げよ
- 18本歌取りで避けるべきとされたことは?
- 19本歌取りの本歌として多く用いられた歌集は?
- 20句切れが和歌のリズムに与える影響は?
- 21体言止めが多く用いられた歌集は?
- 22初句切れが与える印象は?
- 23和歌で用いられる比喩表現を何というか?
- 24見立ての例を挙げよ
- 25和歌の題詠とは何か?
- 26屏風歌とは何か?
- 27和歌の修辞が『新古今和歌集』で複雑化した理由は?
- 28和歌の解釈で最初に確認すべきことは?
- 29掛詞を訳すときの書き方は?
- 30枕詞を訳さない理由は?
- 31和歌の修辞法を学ぶ意義は?
- 32入試で和歌が出題される理由は?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。

修辞の見つけ方【解く手順】
和歌の設問は、修辞を見つけられるかどうかで決まります。手順を決めておきます。
| 順 | 確認すること | 手がかり |
|---|---|---|
| 1 | 句切れはあるか | 終止形・係り結びの結び・命令形 |
| 2 | 枕詞はあるか | 5音の決まり文句 |
| 3 | 掛詞はあるか | ひらがな表記の語 |
| 4 | 縁語はあるか | 意味の関連する語が複数 |
| 5 | 体言止めか | 結句が名詞で終わる |
掛詞はひらがなで書かれます。2つの意味を同時に表すため、漢字にできないからです。和歌の中に不自然なひらがながあれば、掛詞を疑ってください。
句切れの見つけ方
| 手がかり | 例 |
|---|---|
| 終止形 | 〜けり。 |
| 係り結びの結び | 〜ぞ〜ける |
| 命令形 | 〜せよ |
| 終助詞 | 〜かな・〜もがな |
文が一度終わる場所を探します。句切れがなければ「句切れなし」です。
| 歌集 | 多い句切れ |
|---|---|
| 万葉集 | 二句切れ・四句切れ |
| 古今和歌集 | 三句切れ |
| 新古今和歌集 | 初句切れ・四句切れ |
修辞法のポイント
枕詞と序詞の違い
| 枕詞 | 序詞 | |
|---|---|---|
| 音数 | 5音 | 7音以上 |
| 訳す | 訳さない | 訳す |
| 決まり | 固定されている | 歌ごとに作る |
| 導く語 | 決まっている | その歌だけ |
枕詞は「決まり文句」、序詞は「その場で作る」と考えてください。だから枕詞は暗記できますが、序詞は文脈で判断します。
序詞の2つの導き方
| 方法 | 内容 | 訳し方 |
|---|---|---|
| 同音 | 同じ音を繰り返して導く | そのまま訳す |
| 比喩 | たとえで導く | 「〜のように」 |
比喩で導く場合は、「〜のように」と訳して下の内容につなげます。
掛詞の見つけ方と訳し方

掛詞はひらがなで書かれることが最大の手がかりです。
| 音 | 掛けられる意味 |
|---|---|
| まつ | 松・待つ |
| あき | 秋・飽き |
| ふる | 経る・降る・古る |
| ながめ | 眺め・長雨 |
| かる | 枯る・離る |
| うき | 憂き・浮き |
| よ | 世・夜 |
| いなば | 因幡・往なば |
訳すときは両方の意味を示します。「秋が来た」と「飽きが来た」の両方を書くのが原則です。
縁語の役割
縁語は、意味の上で関連する語を意図的に散りばめる技法です。
| 中心の語 | 縁語 |
|---|---|
| 糸 | はる・よる・くる・たゆ |
| 波 | 寄る・立つ・返る |
| 弓 | 引く・張る・射る |
| 衣 | 着る・裁つ・張る・褄 |
| 涙 | 袖・濡る・川 |
| 火 | 燃ゆ・煙・消ゆ |
歌全体に統一感と広がりを与えます。掛詞と併用されることも多く、二重の意味を支える働きをします。
本歌取り
有名な古歌の一部を取り入れる技法です。藤原定家が理論化し、『新古今和歌集』で盛んに用いられました。
| 目的 | 効果 |
|---|---|
| 元の歌を思い起こさせる | 情趣が重なり、深みが出る |
| 読み手との共通の教養を前提にする | 言外の意味が生まれる |
元の歌と同じ趣向にしないことが条件とされました。単なる模倣ではなく、新しい世界を作ることが求められます。
体言止め
結句を名詞で終える技法です。『新古今和歌集』に多く見られます。
言い切らないことで余韻が残ります。動詞や助動詞で終わるより、印象が広がるためです。

間違えやすいところ
| まぎらわしい組み合わせ | 区別のしかた |
|---|---|
| 枕詞/序詞 | 5音・訳さない/7音以上・訳す |
| 掛詞/縁語 | 1語に2つの意味/複数の語が関連 |
| 序詞(同音)/序詞(比喩) | そのまま訳す/「〜のように」 |
| 本歌取り/引用 | 情趣を重ねる/単なる借用 |
| 初句切れ/三句切れ | 第1句のあと/第3句のあと |
| 体言止め/句切れなし | 名詞で終わる/文が切れない |
| 折句/物名 | 各句の頭に詠み込む/歌の中に隠す |
枕詞と序詞の区別が最頻出です。音数と「訳すかどうか」の2点で判断してください。
覚え方のコツ
枕詞は導く語とセットで
枕詞そのものに意味はありません。「あしひきの→山」のように、対応で覚えます。
| 覚え方 | 効果 |
|---|---|
| 枕詞だけ | 使えない |
| 導く語とセット | 次に来る語を予測できる |
掛詞は「ひらがな」に注目
和歌の中で不自然にひらがなの語があれば、掛詞の可能性が高いものです。
漢字で書けば意味が1つに決まってしまうため、あえてひらがなにしています。
多義語と結びつけて覚える
| 多義語 | 掛詞としての用法 |
|---|---|
| ふる(経る・降る・古る) | 時の経過と雨・雪を重ねる |
| あき(秋・飽き) | 季節と心変わりを重ねる |
| まつ(松・待つ) | 景物と心情を重ねる |
単語の知識が修辞につながります。多義語を覚えていれば、掛詞も見つけやすくなります。
腕試し:ランダム10問
ここまでの内容が身についたか確認してください。順番をシャッフルし、1問ずつ表示します。スワイプでも進められます。
- 1「みをつくし」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 2「すみ」に掛けられる意味を2つ挙げよ
- 3「まつ」に掛けられる2つの意味は?
- 4枕詞は原則として何音か?
- 5意味の上で関連する語を意図的に散りばめる技法を何というか?
- 6「三句切れ」とはどこで切れることか?
- 7序詞が比喩で導く場合の訳し方は?
- 8「あづさゆみ」が導く語を2つ挙げよ
- 9掛詞を見つける手がかりは?
- 10句切れを見つける手がかりを2つ挙げよ
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。
×が3問以上あった場合は、修辞法7種の表に戻ってください。まず枕詞と序詞の区別を確実にしてください。
よくある質問
枕詞と序詞はどう違うのですか
| 枕詞 | 序詞 | |
|---|---|---|
| 音数 | 5音 | 7音以上 |
| 訳す | 訳さない | 訳す |
| 決まり | 固定されている | 歌ごとに作る |
枕詞は「決まり文句」なので暗記できます。序詞はその歌のために作られるので、文脈で判断します。
掛詞はどうやって見つけるのですか
ひらがな表記の語に注目してください。
掛詞は2つの意味を同時に表すため、漢字にできません。「あき」を「秋」と書いてしまうと「飽き」の意味が消えるからです。
和歌の中で不自然にひらがなの語があれば、掛詞の可能性が高いものです。
掛詞はどう訳せばいいですか
両方の意味を示します。
「あき」なら「秋」と「飽き」の両方を訳文に含めてください。片方だけでは減点されます。
記述問題では「〜には秋と飽きが掛けられている」と説明する形式もよく出ます。
縁語と掛詞はどう違うのですか
| 掛詞 | 縁語 | |
|---|---|---|
| 対象 | 1語 | 複数の語 |
| 働き | 2つの意味を持たせる | 関連する語を散りばめる |
掛詞は「1点」、縁語は「面」です。両者が併用されることも多く、和歌に厚みを与えます。
句切れはどう見つけるのですか
文が一度終わる場所を探します。
| 手がかり | 例 |
|---|---|
| 終止形 | 〜けり |
| 係り結びの結び | 〜ぞ〜ける |
| 命令形 | 〜せよ |
| 終助詞 | 〜かな |
切れる場所がなければ「句切れなし」です。文法の知識がそのまま使えます。
本歌取りとは何ですか
有名な古歌の一部を取り入れる技法です。
元の歌を思い起こさせることで、情趣が重なり深みが出ます。藤原定家が理論化し、『新古今和歌集』で盛んに用いられました。
ただし元の歌と同じ趣向にしないことが条件とされました。単なる模倣ではなく、新しい世界を作ることが求められます。
どこまで覚えればいいですか
| 目標 | 必要な範囲 |
|---|---|
| 共通テスト | Sランク32問 |
| 私大・国公立二次 | S+Aランク64問 |
| 難関大 | 全96問 |
枕詞10語と掛詞の代表例は暗記が必要です。ここを外すと和歌が読めません。
次は何を勉強すべきですか
次は古文常識・文学史です。当時の生活や制度、作品と作者を扱います。
和歌には当時の文化が前提になっているものが多くあります。「逢ふ」が持つ意味、「衣」が象徴するもの——背景を知ると読解が深まります。
単語が不安な人は、多義語の記事に戻ってください。掛詞は多義語の知識がそのまま使えます。





コメント/Comment