古文の助動詞のうち受身・使役・打消・断定を表す語を、一問一答96問でまとめました。答えはタップすると開きます。○△×で自己採点でき、できなかった問題だけをもう一度解き直せます。
この単元は助動詞シリーズの完結編です。「る・らる」の4つの意味と、「なり」「たり」の識別が中心になります。

主な勉強場所はどこ?
受身・使役・打消・断定の助動詞【まずこの表を覚える】
| 語 | 意味 | 接続 | 活用の型 |
|---|---|---|---|
| る | 受身・尊敬・自発・可能 | 四段・ナ変・ラ変の未然形 | 下二段型 |
| らる | 受身・尊敬・自発・可能 | 上記以外の未然形 | 下二段型 |
| す | 使役・尊敬 | 四段・ナ変・ラ変の未然形 | 下二段型 |
| さす | 使役・尊敬 | 上記以外の未然形 | 下二段型 |
| しむ | 使役・尊敬 | 未然形 | 下二段型 |
| ず | 打消 | 未然形 | 特殊型 |
| なり | 断定・存在 | 体言・連体形 | ラ変型 |
| たり | 断定 | 体言 | ラ変型 |
「る/らる」「す/さす」は接続で使い分けます。四段・ナ変・ラ変には「る」「す」、それ以外には「らる」「さす」がつきます。意味は同じです。
一方、断定の「なり」「たり」だけが体言接続です。ほかはすべて未然形接続。この違いが識別の決め手になります。
活用表【8語すべて】
| 語 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| る | れ | れ | る | るる | るれ | れよ |
| らる | られ | られ | らる | らるる | らるれ | られよ |
| す | せ | せ | す | する | すれ | せよ |
| さす | させ | させ | さす | さする | さすれ | させよ |
| しむ | しめ | しめ | しむ | しむる | しむれ | しめよ |
| ず | ず ざら | ず ざり | ず | ぬ ざる | ね ざれ | ざれ |
| なり | なら | なり に | なり | なる | なれ | なれ |
| たり | たら | たり と | たり | たる | たれ | たれ |
「ず」には2つの系列があります。「ず・ぬ・ね」の系列と、「ざら・ざり・ざる・ざれ」の系列です。下に助動詞が続くときは「ざり」系列を使います。
「ず」の連体形「ぬ」と已然形「ね」は、完了の助動詞「ぬ」と形が重なります。前回の記事で扱った識別が、ここでも効いてきます。
受身・使役・打消・断定 一問一答【Sランク・32問】
- 1助動詞「る」「らる」の4つの意味を挙げよ自可受尊(じかうそ)
- 2「る」の接続は?四ナラ変につく
- 3「らる」の接続は?それ以外につく
- 4「る」「らる」の活用の型は?
- 5「る」「らる」の意味を覚える語呂は?
- 6助動詞「す」「さす」の2つの意味を挙げよ尊敬語を伴えば尊敬
- 7「す」の接続は?
- 8「さす」の接続は?
- 9助動詞「しむ」の意味は?
- 10「しむ」の接続は?
- 11「す」「さす」「しむ」の活用の型は?
- 12助動詞「ず」の意味は?
- 13「ず」の接続は?
- 14「ず」の連体形は?完了「ぬ」と混同注意
- 15「ず」の已然形は?
- 16助動詞「なり」で断定を表すものの接続は?伝聞推定と接続で区別
- 17助動詞「たり」で断定を表すものの接続は?
- 18断定の「なり」の意味は?
- 19断定の「なり」「たり」の活用の型は?
- 20「る」「らる」が可能の意味になるのはどんなときか?打消とセット
- 21「る」「らる」が自発になりやすい動詞は?
- 22「す」「さす」が尊敬になるのはどんなときか?
- 23「せたまふ」「させたまふ」の「せ」「させ」の意味は?
- 24「ず」の3つの活用系列を挙げよざり系は助動詞の前
- 25「ざり」の系列が使われるのはどんなときか?
- 26「ざるべし」の「ざる」は何形か?
- 27伝聞・推定の「なり」と断定の「なり」の見分け方は?
- 28完了の「たり」と断定の「たり」の見分け方は?接続だけで判別
- 29「〜にあり」の形から生まれた助動詞は?
- 30「〜とあり」の形から生まれた助動詞は?
- 31受身の訳し方は?
- 32使役の訳し方は?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。

受身・使役・打消・断定 一問一答【Aランク・32問】
- 1「る」の未然形は?
- 2「る」の連体形は?
- 3「る」の已然形は?
- 4「らる」の連体形は?
- 5「らる」の已然形は?
- 6「す」の連体形は?
- 7「さす」の連体形は?
- 8「しむ」の連体形は?
- 9「ず」の未然形を2つ挙げよ
- 10「ず」の連用形を2つ挙げよ
- 11「ず」の終止形は?
- 12断定の「なり」の連用形を2つ挙げよ
- 13断定の「なり」の連体形は?
- 14断定の「たり」の連体形は?
- 15「る」「らる」の識別で最も重要な手がかりは?
- 16四段動詞に「らる」はつくか?
- 17上二段動詞につくのは「る」か「らる」か?
- 18「思はる」の「る」の意味として多いものは?
- 19「見らる」の「らる」が可能となる条件は?
- 20「〜れたまふ」の「れ」の意味は?
- 21尊敬の「る」「らる」の敬意の程度は?
- 22「しむ」が多く用いられる文体は?
- 23二重尊敬の例を挙げよ
- 24二重尊敬が用いられる対象は?
- 25「ず」に命令形はあるか?
- 26「ずは」の意味は?
- 27「ずして」の意味は?
- 28「なり」が存在を表す例を挙げよ
- 29断定「なり」の連用形「に」の下に来る語は?
- 30「にや」「にか」の「に」は何か?
- 31「たり」が断定で使われる文体は?
- 32「武士たり」を訳せ
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。
受身・使役・打消・断定 一問一答【Bランク・32問】
- 1「る」の終止形は?
- 2「る」の命令形は?
- 3「らる」の未然形は?
- 4「らる」の命令形は?
- 5「す」の未然形は?
- 6「す」の已然形は?
- 7「さす」の已然形は?
- 8「しむ」の已然形は?
- 9「ず」の連体形「ぬ」と完了「ぬ」の違いは?
- 10「ず」の已然形「ね」と完了「ぬ」の命令形「ね」の違いは?
- 11「ざり」系列の成り立ちは?
- 12「なり」の未然形は?
- 13「なり」の已然形は?
- 14「たり」の未然形は?
- 15「る」「らる」の自発が心情語に多い理由は?
- 16自発の訳し方は?
- 17「る」「らる」の尊敬が用いられる場面は?
- 18使役の対象を示す助詞は?
- 19「人にいはす」を訳せ
- 20「す」「さす」が単独で尊敬になる例は少ない理由は?
- 21「しむ」の尊敬用法が見られる作品の性格は?
- 22打消の「ず」が係助詞と結びついた形を挙げよ
- 23「な〜そ」の意味は?
- 24「え〜ず」の意味は?
- 25「え〜ず」の「え」の品詞は?
- 26「よも〜じ」の意味は?
- 27断定の「なり」が「〜にあり」から生まれたことを示す形は?
- 28「なり」の連用形「に」を含む慣用表現を挙げよ
- 29「侍り」の前に来る「に」の正体は?
- 30断定「たり」が使われた代表的な作品を挙げよ
- 31受身・使役・打消・断定の助動詞に共通する接続の傾向は?
- 32断定の助動詞だけが例外的な接続をとる理由は?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。

「る」「らる」の4つの意味【最頻出】
この4つを見分ける問題は、古文でも屈指の頻出項目です。手がかりがそれぞれ違います。
| 意味 | 訳 | 見分ける手がかり |
|---|---|---|
| 自発 | 自然と〜される | 心情・知覚の動詞につく |
| 可能 | 〜できる | 打消を伴う |
| 受身 | 〜される | 動作主が「に」で示される |
| 尊敬 | お〜になる | 主語が目上の人物 |

「自可受尊(じかうそ)」と覚えます。判別の手順は次のとおりです。
| 順 | 確認すること | 該当すれば |
|---|---|---|
| 1 | 打消があるか | 可能 |
| 2 | 心情・知覚の動詞か | 自発 |
| 3 | 主語が目上か | 尊敬 |
| 4 | いずれでもない | 受身 |
まず打消を探してください。中古の文章では、可能はほとんど打消とセットで使われます。「え〜られず」の形が典型です。
自発になりやすい動詞
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 心情 | 思ふ・偲ぶ・嘆く |
| 知覚 | 見る・聞く・覚ゆ |
「思はる」は「自然と思われる」「つい思ってしまう」と訳します。意図せずそうなるという意味です。
「れたまふ」は尊敬にならない
注意が必要な形があります。
「〜れたまふ」のように、下に尊敬語が続く場合、「れ」は尊敬になりません。敬語が重なることを避けるためです。この場合は受身・自発・可能のいずれかになります。
「す」「さす」「しむ」の使い分け
3語とも意味は「使役・尊敬」です。違いは接続と文体にあります。
| 語 | 接続 | 使われる文体 |
|---|---|---|
| す | 四段・ナ変・ラ変の未然形 | 和文 |
| さす | それ以外の未然形 | 和文 |
| しむ | 未然形(すべて) | 漢文訓読体 |
使役か尊敬かの見分け方
| 形 | 意味 |
|---|---|
| 単独で使われる | 使役 |
| 下に尊敬語が続く | 尊敬(二重尊敬)または使役 |
「せたまふ」「させたまふ」の形が問題になります。これは2通りに解釈できます。
| 解釈 | 訳 | 判断 |
|---|---|---|
| 二重尊敬 | お〜になる | 主語が帝など最高位 |
| 使役+尊敬 | 〜させなさる | 使役の対象が文中にある |
「〜に」で使役の相手が示されていれば使役です。示されていなければ二重尊敬と考えます。
「なり」「たり」の識別【接続で決まる】

「なり」「たり」はそれぞれ2種類あります。接続だけで判別できます。
「なり」の識別
| 断定の「なり」 | 伝聞・推定の「なり」 | |
|---|---|---|
| 接続 | 体言・連体形 | 終止形 |
| 意味 | 〜である・〜にある | 〜そうだ・〜と聞く |
| 例 | 都なり | あるなり |
上が名詞なら断定です。上が動詞の終止形なら伝聞・推定になります。
「たり」の識別
| 断定の「たり」 | 完了・存続の「たり」 | |
|---|---|---|
| 接続 | 体言 | 連用形 |
| 意味 | 〜である | 〜た・〜ている |
| 例 | 武士たり | 咲きたり |
断定の「たり」は漢文訓読体や軍記物語に多く見られます。『平家物語』などが代表です。
連用形「に」に注意
断定の「なり」の連用形は「に」です。単独で出てくると気づきにくいので注意してください。
| 形 | 説明 |
|---|---|
| 〜にあり | 断定の連用形+補助動詞 |
| 〜に侍り | 同上 |
| にや・にか | 下に「あらむ」が省略された形 |
「にあり」「に侍り」の形なら断定と判断できます。前回扱った完了の「に」とは、接続で区別してください。
打消「ず」のポイント
2つの系列
| 系列 | 形 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 本活用 | ず・ぬ・ね | 単独で使うとき |
| 補助活用 | ざら・ざり・ざる・ざれ | 下に助動詞が続くとき |
「ざり」系列は「ず+あり」から生まれました。だから下に助動詞をつなげられます。
例:「ざるべし」「ざりけり」
打消を含む重要表現
| 形 | 意味 |
|---|---|
| え〜ず | 〜できない |
| な〜そ | 〜するな(禁止) |
| よも〜じ | まさか〜ないだろう |
| 〜ずは | 〜ないならば |
「え〜ず」の「え」は副詞です。助動詞ではありません。

間違えやすいところ
| まぎらわしい組み合わせ | 区別のしかた |
|---|---|
| る/らる | 四段・ナ変・ラ変につく/それ以外につく |
| す/さす | 同上 |
| 断定「なり」/伝聞推定「なり」 | 体言・連体形接続/終止形接続 |
| 断定「たり」/完了「たり」 | 体言接続/連用形接続 |
| 打消「ぬ」/完了「ぬ」 | 未然形接続・連体形/連用形接続・終止形 |
| 打消「ね」/完了「ね」 | 未然形接続・已然形/連用形接続・命令形 |
| 断定の連用形「に」/完了の「に」 | 体言接続/連用形接続 |
| 二重尊敬/使役+尊敬 | 使役の対象が示されているか |
「ぬ」「ね」「に」の識別は、すべて接続で解けます。迷ったら上の語の活用形を確認してください。
覚え方のコツ
接続で2つに分ける
| 接続 | 助動詞 |
|---|---|
| 未然形 | る・らる・す・さす・しむ・ず |
| 体言 | なり・たり(断定) |
断定だけが体言接続——この一点を押さえると、識別が一気に楽になります。
「る・らる」は手がかりの順に
| 順 | 手がかり | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 打消がある | 可能 |
| 2 | 心情・知覚の動詞 | 自発 |
| 3 | 主語が目上 | 尊敬 |
| 4 | それ以外 | 受身 |
助動詞全体の接続を整理する
3本の記事で扱った助動詞を、接続別にまとめます。
| 接続 | 助動詞 |
|---|---|
| 未然形 | む・むず・まし・じ・る・らる・す・さす・しむ・ず |
| 連用形 | き・けり・つ・ぬ・たり・けむ |
| 終止形 | べし・らむ・めり・らし・まじ・なり(伝聞推定) |
| 体言・連体形 | なり・たり(断定) |
| 特殊 | り(サ変未然・四段已然) |
これが助動詞の全体像です。接続が分かれば、識別問題の大半は解けます。
腕試し:ランダム10問
ここまでの内容が身についたか確認してください。順番をシャッフルし、1問ずつ表示します。スワイプでも進められます。
- 1「ずして」の意味は?
- 2「武士たり」を訳せ
- 3「す」の連体形は?
- 4助動詞「ず」の意味は?
- 5使役の訳し方は?
- 6二重尊敬が用いられる対象は?
- 7「ずは」の意味は?
- 8「見らる」の「らる」が可能となる条件は?
- 9断定の「なり」「たり」の活用の型は?
- 10「ず」の連体形は?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。
×が3問以上あった場合は、接続の表に戻ってください。助動詞は接続がすべての土台です。
よくある質問
「る」と「らる」はどう使い分けるのですか
上の動詞の種類で決まります。意味は同じです。
| 上の動詞 | つく助動詞 |
|---|---|
| 四段・ナ変・ラ変 | る |
| それ以外 | らる |
「す」と「さす」も同じ規則です。どちらを使うかは動詞が決めるので、意味の判別には関係ありません。
「る」「らる」の4つの意味が判別できません
手がかりを順に確認してください。
| 順 | 確認すること | 該当すれば |
|---|---|---|
| 1 | 打消があるか | 可能 |
| 2 | 心情・知覚の動詞か | 自発 |
| 3 | 主語が目上か | 尊敬 |
| 4 | いずれでもない | 受身 |
まず打消を探すのが効率的です。中古の文章では、可能はほとんど打消とセットで使われます。
「せたまふ」は尊敬ですか使役ですか
使役の対象が文中にあるかで判断します。
| 状況 | 解釈 | 訳 |
|---|---|---|
| 「〜に」で相手が示される | 使役+尊敬 | 〜させなさる |
| 相手が示されない | 二重尊敬 | お〜になる |
二重尊敬は帝や高貴な人物に使われます。主語が誰かも手がかりになります。
「なり」が断定か伝聞・推定か分かりません
接続で決まります。
| 上の形 | 意味 |
|---|---|
| 体言・連体形 | 断定(〜である) |
| 終止形 | 伝聞・推定(〜そうだ) |
上が名詞なら断定です。「都なり」は断定、「あるなり」は伝聞・推定になります。
「ぬ」「ね」の識別が混乱します

接続で区別してください。
| 形 | 正体 | 接続 |
|---|---|---|
| ぬ(連体形) | 打消「ず」 | 未然形 |
| ぬ(終止形) | 完了「ぬ」 | 連用形 |
| ね(已然形) | 打消「ず」 | 未然形 |
| ね(命令形) | 完了「ぬ」 | 連用形 |
上の語が未然形なら打消、連用形なら完了です。この一点で判別できます。
「ざり」の系列はいつ使うのですか
下に助動詞が続くときです。
「ず」は単独では使えますが、下に助動詞をつなげられません。そこで「ず+あり」から生まれた「ざり」系列を使います。
例:「ざるべし」「ざりけり」「ざらむ」
どこまで覚えればいいですか
| 目標 | 必要な範囲 |
|---|---|
| 共通テスト | Sランク32問 |
| 私大・国公立二次 | S+Aランク64問 |
| 難関大 | 全96問 |
「る・らる」の4つの意味と、「なり」の識別は必須です。どちらも頻出します。
助動詞は終わりました。次は何を勉強すべきですか
これで助動詞の主要な語をすべて扱いました。次は用言の活用に進みます。
助動詞の接続は「未然形」「連用形」といった活用形で決まります。つまり動詞の活用が分からないと、助動詞も使えません。
助動詞を学んだ今だからこそ、活用の重要性が実感できるはずです。土台を固めてから、助詞・敬語へ進んでください。




コメント/Comment