古文の常識と文学史を、一問一答96問でまとめました。答えはタップすると開きます。○△×で自己採点でき、できなかった問題だけをもう一度解き直せます。
古文が読めない原因は、単語や文法だけではありません。当時の生活や制度を知らないことも大きな理由です。
たとえば「男が女のもとへ通う」のは当時の婚姻の形です。これを知らないと、物語の展開そのものが理解できません。背景を知ると本文の意味が正しく取れます。

主な勉強場所はどこ?
恋愛と結婚【物語の前提】

古文の物語の多くは恋愛を扱います。当時の作法を知らないと読み違えます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 噂や垣間見で相手を知る |
| 2 | 男性が和歌を送る |
| 3 | 女性が返歌する(応じない場合もある) |
| 4 | 男性が夜に通う |
| 5 | 翌朝、男性が後朝の文を送る |
| 6 | 三日通うと結婚が成立(三日夜の餅) |
「通い婚」が基本です。男性が女性のもとへ通う形で、女性は自分の家に住み続けます。夫婦が同居するとは限りません。
また「あふ」は男女が結ばれることを意味します。単に「会う」ではありません。和歌で「あふ」が出てきたら、この意味を疑ってください。
作品とジャンル【文学史の骨格】
| ジャンル | 代表作 | 作者 |
|---|---|---|
| 歌集 | 万葉集/古今和歌集/新古今和歌集 | —/紀貫之ら/藤原定家ら |
| 作り物語 | 竹取物語/源氏物語 | 不明/紫式部 |
| 歌物語 | 伊勢物語/大和物語 | 不明 |
| 日記 | 土佐日記/蜻蛉日記/更級日記 | 紀貫之/藤原道綱母/菅原孝標女 |
| 随筆 | 枕草子/方丈記/徒然草 | 清少納言/鴨長明/兼好法師 |
| 説話 | 今昔物語集/宇治拾遺物語 | 不明 |
| 歴史物語 | 大鏡/栄花物語 | 不明 |
| 軍記物語 | 平家物語 | 不明 |
ジャンルと作者をセットで覚えます。「三大随筆=枕草子・方丈記・徒然草」のように、まとまりで押さえると効率的です。
古文常識・文学史 一問一答【Sランク・32問】
- 1平安時代の貴族の男性が女性のもとへ通う婚姻の形を何というか?物語の前提となる制度
- 2男性が女性に最初に送るものは?
- 3男女が一夜を共にした翌朝、男性が送る手紙を何というか?きぬぎぬのふみ
- 4貴族の女性が人前に姿を見せないために用いたものを挙げよ
- 5「垣間見」とは何か?
- 6出家することを表す語を2つ挙げよ直接「出家」と言わない
- 7出家した人が住む場所を何というか?
- 8物の怪や病気を治すために行う祈りを何というか?
- 9夢や占いによって行動を決める習慣を何というか?
- 10外出を避けて家にこもることを何というか?
- 11方角が悪いときに別の方角を経由することを何というか?物語で移動の理由に
- 12天皇の正妻にあたる地位を何というか?
- 13天皇の后に仕える女性を何というか?
- 14『源氏物語』の作者は?
- 15『枕草子』の作者は?
- 16『土佐日記』の作者は?
- 17『徒然草』の作者は?
- 18『方丈記』の作者は?
- 19『更級日記』の作者は?
- 20『蜻蛉日記』の作者は?
- 21『古今和歌集』の撰者の中心人物は?
- 22『新古今和歌集』の撰者の中心人物は?
- 23日本最古の歌集は?
- 24日本最古の物語とされる作品は?
- 25『伊勢物語』のような、和歌を中心とした物語を何というか?歌物語
- 26『平家物語』のジャンルは?
- 27『今昔物語集』のジャンルは?
- 28『大鏡』のジャンルは?
- 29『枕草子』のジャンルは?
- 30三大随筆を挙げよ枕草子・方丈記・徒然草
- 31『源氏物語』のジャンルは?作り物語の代表
- 32和歌の勅撰集のうち最初のものは?八代集の最初
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。

古文常識・文学史 一問一答【Aランク・32問】
- 1通い婚で、正式な夫婦と認められる儀式は?
- 2結婚が成立するのは男性が何日通った後か?
- 3三日目の夜に食べる餅を何というか?
- 4女性が成人したことを示す儀式は?
- 5男性が成人したことを示す儀式は?
- 6貴族の子女が幼いときに髪を切りそろえることを何というか?
- 7男性が女性に手紙を送る際、添えるものは?
- 8「文」の読み方と意味は?
- 9女性が男性の求愛に応じないことを表す語は?
- 10「あふ」が持つ特別な意味は?現代語とは違う重み
- 11「衣」が和歌で象徴するものは?
- 12「袖」が和歌で象徴するものは?
- 13出家の理由として多いものを挙げよ
- 14出家した女性を何というか?
- 15寺院で行う仏事を何というか?
- 16物の怪を移す役目の人を何というか?
- 17宮中で天皇が住む場所を何というか?
- 18中宮が住む場所を何というか?
- 19貴族の邸宅の様式を何というか?
- 20貴族の位のうち、五位以上を何というか?
- 21三位以上の高位の貴族を何というか?
- 22地方に赴任する国司を何というか?
- 23『竹取物語』が「物語の出で来はじめの祖」と評された書物は?
- 24『伊勢物語』の主人公とされる人物は?
- 25『大和物語』のジャンルは?
- 26『宇治拾遺物語』のジャンルは?
- 27『栄花物語』のジャンルは?
- 28四鏡を挙げよ
- 29『和泉式部日記』の特徴は?
- 30『紫式部日記』に記されている内容は?
- 31『十六夜日記』の作者は?
- 32『奥の細道』の作者とジャンルは?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。
古文常識・文学史 一問一答【Bランク・32問】
- 1「几帳」とはどんな道具か?
- 2「御簾」とはどんな道具か?
- 3「屏風」の役割は?
- 4「牛車」に乗るのはどんな身分の人か?
- 5「直衣」とは何か?
- 6「狩衣」とは何か?
- 7「十二単」の正式名称は?
- 8「香」を焚く目的を2つ挙げよ
- 9「琴」「琵琶」が象徴する教養は?
- 10「書」が重視された理由は?
- 11「もののあはれ」を提唱した学者は?
- 12「無常観」とはどんな考えか?
- 13『方丈記』の冒頭が象徴するものは?
- 14「末法思想」とはどんな考えか?
- 15浄土信仰が広まった背景は?
- 16「陰陽師」の役割は?
- 17「物の怪」とは何か?
- 18「宿世」とはどんな考えか?
- 19「かいまみ」が物語で果たす役割は?
- 20「六条院」が登場する作品は?
- 21『源氏物語』の巻数は?
- 22『万葉集』の歌体を3つ挙げよ
- 23『万葉集』の代表的歌人を挙げよ
- 24『古今和歌集』の仮名序を書いた人物は?
- 25八代集の最初と最後を挙げよ
- 26『小倉百人一首』を撰したとされる人物は?
- 27中世に成立した芸能を挙げよ
- 28『徒然草』の冒頭の語は?
- 29『枕草子』の冒頭の語は?
- 30『平家物語』の冒頭の語は?
- 31軍記物語が語り伝えられた方法は?
- 32古文常識を学ぶ意義は?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。

古文常識のポイント
身分と住まい
登場人物の身分が分かると、敬語の使われ方も理解できます。
| 身分 | 説明 |
|---|---|
| 天皇・中宮 | 最高位。最高敬語が使われる |
| 公卿 | 三位以上の高位の貴族 |
| 殿上人 | 五位以上で昇殿を許された者 |
| 受領 | 地方に赴任する国司 |
| 女房 | 后や姫君に仕える女性 |
貴族の邸宅は寝殿造です。仕切りが少なく、御簾・几帳・屏風で空間を区切りました。
この構造が「垣間見」を可能にします。仕切りのすきまから姿が見えてしまう——それが恋の始まりになりました。
女性は姿を見せない
| 道具 | 役割 |
|---|---|
| 御簾 | すだれ状の仕切り |
| 几帳 | 移動できる布の仕切り |
| 扇 | 顔を隠す |
貴族の女性は親族以外の男性に顔を見せませんでした。だからこそ「見る」ことが特別な意味を持ちます。
前回扱った多義語の「みる=結婚する」は、この習慣から生まれた意味です。
信仰と迷信

当時の人々は、目に見えない力を強く意識していました。
| 語 | 内容 |
|---|---|
| 物の怪 | 人にとりつくとされた霊 |
| 加持祈祷 | 病気や物の怪を祓う祈り |
| 物忌 | 凶日に外出を避けて家にこもる |
| 方違へ | 方角が悪いとき別の方角を経由する |
| 宿世 | 前世からの因縁 |
「物忌」「方違へ」は物語で移動の理由になります。「なぜこの人がここへ来たのか」という展開の説明として使われるためです。
出家と無常観
物語では出家が重要な転機になります。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 世を捨つ | 出家する |
| 世を背く | 出家する |
| 御髪おろす | 出家する |
直接「出家する」とは言いません。これらの表現を知らないと、重要な場面を読み飛ばします。
背景には無常観があります。すべては移ろい、はかないという考え方です。『方丈記』の冒頭は、この思想を象徴しています。
和歌で象徴されるもの
| 語 | 象徴 |
|---|---|
| 袖 | 涙(涙で袖が濡れる) |
| 衣 | 相手への思い・別れ |
| 松 | 待つ気持ち |
| 秋 | 心変わり(飽き) |
文学史のポイント
時代ごとの特徴
| 時代 | 特徴 | 代表作 |
|---|---|---|
| 奈良 | 素朴で力強い | 万葉集・古事記 |
| 平安 | 優美・技巧的 | 源氏物語・古今和歌集 |
| 鎌倉 | 無常観・武士の台頭 | 方丈記・平家物語・新古今和歌集 |
| 室町 | 庶民文化 | 御伽草子・能 |
| 江戸 | 町人文化 | 奥の細道・俳諧 |
時代の空気が作品に表れます。鎌倉時代に無常観の文学が生まれたのは、戦乱と社会の変動があったためです。
三大歌集の比較

| 万葉集 | 古今和歌集 | 新古今和歌集 | |
|---|---|---|---|
| 時代 | 奈良 | 平安初期 | 鎌倉初期 |
| 歌風 | 素朴・力強い | 優美・理知的 | 幽玄・技巧的 |
| 撰者 | 大伴家持ら | 紀貫之ら | 藤原定家ら |
| 特徴 | 枕詞が多い | 掛詞が発達 | 本歌取り・体言止め |
歌風の変化を押さえてください。「素朴→優美→技巧的」という流れです。修辞法の記事で扱った内容と対応しています。
日記文学の系譜
| 作品 | 作者 | 特徴 |
|---|---|---|
| 土佐日記 | 紀貫之 | 男性が女性を装って仮名で書いた |
| 蜻蛉日記 | 藤原道綱母 | 結婚生活の苦悩 |
| 和泉式部日記 | 和泉式部 | 和歌中心の恋の記録 |
| 紫式部日記 | 紫式部 | 宮仕えの記録と人物評 |
| 更級日記 | 菅原孝標女 | 少女時代からの回想 |
『土佐日記』が仮名で書かれた意義は大きいものです。当時、男性は漢文で日記を書くのが普通でした。仮名を使ったことで、以後の女流日記文学の道が開かれます。

間違えやすいところ
| まぎらわしい組み合わせ | 区別のしかた |
|---|---|
| 作り物語/歌物語 | 源氏物語/伊勢物語 |
| 歴史物語/軍記物語 | 大鏡/平家物語 |
| 説話/随筆 | 今昔物語集/枕草子 |
| 蜻蛉日記/更級日記 | 藤原道綱母/菅原孝標女 |
| 方丈記/徒然草 | 鴨長明/兼好法師 |
| 古今和歌集/新古今和歌集 | 紀貫之/藤原定家 |
| 物忌/方違へ | 家にこもる/方角を変える |
| 元服/裳着 | 男子/女子の成人儀式 |
覚え方のコツ
常識は「なぜそうなるか」で覚える
| 常識 | 理由 |
|---|---|
| 女性は姿を見せない | だから「みる」が結婚の意味になる |
| 男性が通う | だから朝に帰り、後朝の文を送る |
| 方角を気にする | だから物語で移動の理由になる |
制度と表現はつながっています。暗記ではなく、理由から理解してください。
文学史はまとまりで覚える
| まとまり | 内容 |
|---|---|
| 三大随筆 | 枕草子・方丈記・徒然草 |
| 三大歌集 | 万葉集・古今和歌集・新古今和歌集 |
| 四鏡 | 大鏡・今鏡・水鏡・増鏡 |
冒頭の一節で覚える
| 作品 | 冒頭 |
|---|---|
| 枕草子 | 春はあけぼの |
| 方丈記 | ゆく河の流れは絶えずして |
| 徒然草 | つれづれなるままに |
| 平家物語 | 祇園精舎の鐘の声 |
冒頭は入試で直接問われます。作品名とセットで覚えてください。
腕試し:ランダム10問
ここまでの内容が身についたか確認してください。順番をシャッフルし、1問ずつ表示します。スワイプでも進められます。
- 1「衣」が和歌で象徴するものは?
- 2日本最古の歌集は?
- 3『枕草子』のジャンルは?
- 4天皇の后に仕える女性を何というか?
- 5『平家物語』のジャンルは?
- 6『竹取物語』が「物語の出で来はじめの祖」と評された書物は?
- 7三日目の夜に食べる餅を何というか?
- 8女性が男性の求愛に応じないことを表す語は?
- 9通い婚で、正式な夫婦と認められる儀式は?
- 10中宮が住む場所を何というか?
数日あけてから、もう一度この一覧に戻ってきてください。
×が3問以上あった場合は、恋愛と結婚の表、作品とジャンルの表に戻ってください。この2つが出題の中心です。
よくある質問
古文常識はなぜ必要なのですか
背景を知らないと本文が読めないからです。
たとえば「男が夜に女のもとへ来る」場面は、当時の婚姻の形(通い婚)を知らなければ不自然に見えます。しかし当時は普通のことでした。
単語と文法だけでは補えない部分があります。常識は読解の土台です。
「通い婚」とはどんな仕組みですか
男性が女性のもとへ通う婚姻の形です。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 男性が和歌を送る |
| 2 | 夜に女性のもとへ通う |
| 3 | 翌朝、後朝の文を送る |
| 4 | 三日通うと結婚が成立 |
女性は自分の家に住み続けます。夫婦が同居するとは限りません。
「あふ」はなぜ特別な意味を持つのですか
当時、女性が男性に姿を見せなかったからです。
貴族の女性は御簾や几帳の内にいて、親族以外の男性に顔を見せません。だから「会う」こと自体が特別な意味を持ちました。
和歌で「あふ」が出てきたら、「男女が結ばれる」という意味を疑ってください。
出家の表現が分かりません
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 世を捨つ | 出家する |
| 世を背く | 出家する |
| 御髪おろす | 出家する |
直接「出家する」とは言いません。これらの表現を知らないと、物語の重要な転機を読み飛ばします。
「物忌」「方違へ」とは何ですか
| 語 | 内容 |
|---|---|
| 物忌 | 凶日に外出を避けて家にこもる |
| 方違へ | 方角が悪いとき、別の方角を経由する |
物語では移動の理由として使われます。「なぜこの人がここへ来たのか」という展開の説明になるためです。
文学史はどこまで覚えればいいですか
作品名・作者・ジャンルの3点セットが基本です。
| まとまり | 内容 |
|---|---|
| 三大随筆 | 枕草子・方丈記・徒然草 |
| 三大歌集 | 万葉集・古今和歌集・新古今和歌集 |
加えて冒頭の一節も問われます。「春はあけぼの=枕草子」のように結びつけてください。
日記文学の作者が覚えられません
| 作品 | 作者 |
|---|---|
| 土佐日記 | 紀貫之 |
| 蜻蛉日記 | 藤原道綱母 |
| 更級日記 | 菅原孝標女 |
| 十六夜日記 | 阿仏尼 |
「蜻蛉=道綱母」「更級=孝標女」が混同しやすい組み合わせです。ここを重点的に確認してください。




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